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伊藤智博さん

家族を守っていくために秋田に移住

1972年生まれ|秋田市出身|2017年移住

「バーベキューで秋田を元気にしたい!」と思い、秋田市地域おこし協力隊として活動。
2020年春に秋田県初のルーフトップBBQスペースをオープン。

移住しようと踏み出せた一番のきっかけ

伊藤智博さん

高校を卒業して、防衛省で働いていましたがぼんやりといずれは辞めて、秋田に戻ろうとは思っていました。そんな時、2011年に東日本大震災が発生。当時は東京勤務で災害派遣担当の仕事を行なっていました。その時に痛感させられたのが、東京の街としての弱さとここで暮らしていくことの怖さです。この体験があり、家族を守っていくために秋田に移住しようと決意した一番のきっかけですね。また、勤務が忙しく、家族の時間がなかったことも理由のひとつでした。

それからいざ移住しようと思い、最初に取り組んだことが秋田市地域おこし協力隊への応募です。秋田市の制度が他の地域にはない変わったスタイルでした。何か目的を持って取り組みたいことがある人を採用し、秋田市と隊員が一緒になってそれに取り組み、スキルを活かして秋田市をPRしてもらうというものでした。私はずっとバーベキューが好きで、バーベキューの楽しさを広めて、いずれは起業したいという目的を持っていました。秋田市での協力隊としての3年間で、色々チャレンジしながら起業のための準備を進められるとの思いから応募して、2017年に秋田市地域おこし協力隊1期生として採用されました。とても貴重な3年間でした。

子どもたちの反応

私は秋田市が地元だったので特に問題はなかったのですが、子どもたち(当時長男:中3、長女:小6)が秋田市での生活に慣れるのかが不安でしたね。秋田市に移住したいと伝えたとき、最初は嫌がっていましたから。だけど、正月やゴールデンウィーク、お盆に秋田市に帰省して、5年くらいかけて秋田の良さを少しずつ伝えていきました。近くに海もあり、山もあり、川もある。食べ物も美味しく、東京にはないものがたくさんあると。それから、子どもたちにも自分が秋田市でやりたいことをちゃんと伝えたりもしました。

移住のタイミングとして、長男は高校受験、長女は小学校卒業間近という時期でありましたが、実際に移住してみると子どもたちはすぐに周りの環境に慣れ、心配はありませんでした。本当に安心しました。

穏やかでのんびりとした生活

伊藤智博さん

移住してきて大きく変化があったことは気持ちの面です。まずは何と言っても満員電車での通勤がなくなったことが大きいですね。東京で暮らしている時は、正直毎日の通勤が嫌でした。秋田市での生活ではそういうことがなくなったので今はとても快適です。

それから当たり前のことですが、晩ご飯を家族みんなで食べらえるようになり、気持ち的にも穏やかにのんびりとした生活を送れています。自分の時間も増えました。

秋田市に戻ってきてから東京にいる元同僚に会うと「肌がツヤツヤして若返ったな」とよく言われます。秋田に帰ってきてからストレスを微塵も感じたことがなく、今の暮らしが自分に合っているからかなぁと思っています。

それと秋田市にははっきりとした四季の変化があるので、次の季節に何をするのかを考えるのも楽しいですね。冬はスキー、春は山菜、釣りなど季節が巡るのが楽しみで仕方がないです。

郷土愛を育みたい

秋田市に戻ってきてから地域の役に立ちたいとの思いが強くなり、東部市民サービスセンターで行っている東部地域づくり協議会のまちづくり部会に参加しています。そこで地域の方々との活動で、町歩きマップを作成したり、鍋っこコンテストを開催したりしています。鍋っこコンテストは、地域の特色を鍋で表現するコンテストなので、地域の方々に喜ばれました。今年は残念ながら開催できませんでしたが、来年以降毎年開催していき、少しずつ参加の輪と地域を広げていって、将来的には全県大会を開催し、秋田ナンバー1の鍋を決めたいですね。

住んでいて感じる秋田の悪いところは、「秋田には何もない」とみんなが謙遜しているところだと思います。もっと地元のことを知り、もっと地元に関われる機会や環境を作っていき、郷土愛を育んでいかなければと感じています。これからの時代は謙遜していてはダメで、地元を良さを知り、好きになり、自慢できる人を育てる必要があると思います。

秋田市に移住を考えている方へ

秋田市は都会過ぎず、自然豊かで四季もはっきりしているので、のんびりと悠々自適に暮らしたい人には最適なところだと思います。子育てもしやすく、私も100%満足しています。あと妻が言っていたのですが、田んぼに水が入ると蛙の大合唱が聞こえたり、渡り鳥が鳴きながらすぐ頭上をVの字で飛んでいく様子など、自然が身近でとても感動したようです。特に秋田駅上空を大きな白鳥の群れが鳴きながら横切っていく様子を見たときは、自然と街が一体化している場所だなぁと思ったとのこと。地元の私では気づかなかったポイントですね。

インフォメーション

伊藤智博さん

川反ルーフトップ 肉広場
https://nikuhiroba.com/

住所:秋田市大町5丁目2-15 ウイングビル屋上
電話番号:090-8452-9217
休業日:不定休
営業時間:12時〜21時(ラストオーダー20時30分)
駐車場の案内:リパーク(秋田川反第4)



「川反ルーフトップ 肉広場」は秋田県初のルーフトップBBQスペースです。秋田の美味しい食材を生産者さんから直送してもらい、バーベキューで丸焼きにして提供しています。それから冬場は牡蠣小屋になります。こちらは南三陸の漁師さんに直送してもらった牡蠣を提供しています。四季折々の食材とお酒をたくさんの人に味わってもらうことで、「美味しい」よりも「楽しい」とお客様に思ってもらえるお店にしていきたいです。