山田賢一さん

秋田市にあるコンピューター専門学校に在学中、恩師の影響から自分も専門学校の教員になりたいと思い、卒業後は新潟にある専門学校に就職しました。新潟はそれまで一度も行ったことがない場所でしたが、就職をきっかけに24年ほど住んでいました。新潟時代は年に一回ほどしか、秋田に帰省をしていなかったのですが、年々母親の体調が悪くなっていることに気付いていきました。その後、寝たきりの状態になってしまい、介護施設に入所することになりました。新潟という場所が好きで、仕事も充実していたので正直に言うと戻って来たくはありませんでしたが、それまで親孝行を一切してこなかったこともあり、母親の介護のために秋田市へ戻る決意をしました。それと父親も高齢になってきたので、家業の薬局を手伝うことも必要だと思いました。

秋田市へ戻る決意をした当時、教務課長という役職に就いていて、学校長からも次の学校長としてやってくれないかと言われていた時期でもあったので、自分自身非常に悩み、学校に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ですが、家庭の事情を話したら理解をして頂き、それから退職までは様々な引継ぎ作業に追われ慌ただしかったです。

そして、秋田市でのこれからの生活を想像してみると、生まれ育ったところですが知り合いが少なく、経済的にも不安定になることが心配でした。だけど、いざ移住してみると趣味の音楽を通じて知り合いがたくさんできました。経済的にも実家住まいなので、家賃光熱費などが掛からない分、やっていけているので安心しています。

アキタミュージックフェスティバルというイベントに参加して、路上で弾き語りをした時があったのですが、たまたまその場所を通りかかった人が後日、薬局に来店されました。その方は秋田市にある通信制高校の校長先生で、 あなたの音楽に感動したので、是非高校の軽音楽部の顧問をやってくれないかという依頼をされました。そして始めは軽音楽部顧問として高校に関わっていましたが、以前新潟で教員をしていた話をしたところ、今度ITクリエーターコースを新設することになったので教員を募集しているとの話がありました。音楽イベントをきっかけに、今は本業である薬局の傍ら高校の非常勤講師としても働いています。

それから、地域との関わりも増えてきました。薬局がある保戸野通町では通の市というイベントをやっていて、その中でゲリラライブを行っています。私がギターを持っていろんなお店の前に行って、通ったお客様から曲のリクエストをもらって弾き語りをするというものです。弾き語りのリクエストをしてくれた方にはお礼として、薬局で販売している胃腸薬のサンプルを渡したりなどしています。このようなことに参加することで、地域の人たちやたくさんのお客様と触れ合うことができ、活動の幅が広がっています。

山田相談薬局

長年地域の健康のお手伝いをしてきた創業130年の老舗薬局です。健康に関することは気軽に何でもご相談ください。秋田市内 （河辺、雄和を除く） であれば無料で配達もしています。